アンサンブルとは


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 アンサンブル(ensemble)の和訳は「合奏」や「合唱」です。また少人数編成の合奏団(合唱団)を示す言葉でもあり、少数の仲間との音楽を通した"やりとり"的なニュアンスを感じさせてくれます。だからタイトルに"心の握手"という言葉を示してみました。
 さて、心が通っていればそれで良い、というわけではありません。アンサンブルには掟(おきて)があります。それは次のようなものです。

  1. 二人以上でやる。
  2. 相手からの発信を無視してはいけない。
  3. 複数でやる以上、共通のビート(拍)やアーティキュレーション(音の切り方や次の音とのつなぎ方)を共有しなくてはならない。
  4. 自分のパフォーマンス(演奏)には全責任を負う、しかもその能力を維持するために常に習熟を図っていなければならない。 

 つまり相手あっての自分ですが、相手に依存し切っちゃいけないよ!ということです。"心の握手"の影にはこんな厳しい掟(特にivなど)があるのです。

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 厳しい掟と脅しましたが、それは「気軽に音楽を楽しむこと」と「充実した演奏をすること」とは表裏一体という認識に立った建前論です。解説すると次のような3つの場面がアンサンブル活動にあります。
場面A:音楽をやりたい!……と思う場面(情意面)。
場面B:音楽の仕組みがわかった!
      ……と思う場面(創意工夫面)。
場面C:自分の練習ポイントが判り、さらうぞ!
      ……と思う場面(技能面)。

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 このA、B、Cの3場面のループ(環状)で演奏が「充実」することになり、アンサンブル活動が「楽しく」なるのです。A→B→Cの順が自然の成り行きですが、BによってAが旺盛になったり、Cの充実からBの更なる深化がもたらされたりなど、順序が逆行する場合も当然あり得ます。というようにこれらは有機的に結び付いているのです。
 場面Aでスタートを切ったけれど音楽が好きじゃなくなった、とか、音楽への憧れは一過性のものだった、とか、もっと別の価値ある趣味が見つかった、などで挫折感を覚えることもあるでしょう。それは、残念ながら場面BやCに立ち入れなかったからです。
A、B、Cのループこそ音楽を続けていくための原動力であって、自力でそれに気付いたり、たまたま仲間に教えられたりして、表面的な楽しさだけじゃないってことが理解出来るようにならなければ続けられるものではありません。